- VDT症候群(IT眼症)について
- VDT症候群(IT眼症)の原因
- VDT症候群(IT眼症)の症状
- VDT症候群(IT眼症)の治療
- 子どものVDT症候群(IT眼症)を防ぐには?
- VDT症候群(IT眼症)で自律神経が乱れることも
VDT症候群(IT眼症)について
VDT症候群(IT眼症)とはVisual Display Terminals(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)症候群の略で、日々パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間見続けることによって、目に疲労が蓄積され、やがて目だけでなく全身や精神にも様々な問題を引き起こしてしまう状態のことを言います。
VDT症候群(IT眼症)の原因
原因はパソコンやスマートフォンなどの画面を長時間見続けることによります。
長く画面を見続けると、目から全身や精神へ負担も広がっていきます。
また、VDT症候群は眼精疲労を引き起こす可能性も高まり、首や肩が凝ったり、頭痛などを起こしている方は、眼精疲労を発症している恐れがあります。
VDT症候群(IT眼症)の症状
目に現れる症状としては、視界がかすむ、目が痛む、目が乾く、目が充血するなどがあります。
さらに目の疲労が溜まると、首・肩・腰が凝る・痛む、頭痛・吐き気をもよおすなどの症状が起こります。
ストレスが加わると、不安感や憂鬱感などといった精神的な症状も現れます。
その他では、画面を見続けることでまばたきの回数が減り、ドライアイを引き起こすこともあります。ドライアイになると、涙で角膜や結膜に栄養を送ったり目を保護する機能が弱まりますので、目に悪影響を及ぼします。
目に現れる症状
主なVDT症候群による目の症状は下記になります。
- 目が痛む
- 目が疲れる
- 目がしょぼしょぼする
- 目が乾く(ドライアイ)
- 目が赤くなる
- 視力が低下する
- 視界がかすむ
- 物がぼやけて見える
適度な小休憩を取らずにパソコンやスマートフォンの画面を見続けると、様々な目のトラブルを引き起こしますので注意しましょう。
全身に現れる症状
VDT症候群が進行すると、目だけでなく全身に影響を及ぼします。長時間画面を見続けることで、筋肉が緊張し続け、首や肩などが凝ったり痛くなります。首や肩以外が痺れたりだるさを感じたりする場合は、特に注意が必要です。
- 頭痛
- 首こり、肩こり
- 肩や腕、背中の痛み
- 手指の痺れ
- 足腰のだるさ
- 足腰のだるさ
精神や神経の症状
VDT症候群は、精神面においても様々な症状を引き起こします。
- 常に不安感がある
- 常にイライラしている
- 食欲が減退する
- 抑うつ状態になる
- よく寝られない
VDT症候群(IT眼症)の治療
作業環境を快適にする
明るさ
- 室内を明るく保ち、画面と室内の明暗差を小さくしましょう。
- 日の光が差す部屋では、窓にカーテンやブラインドを付けましょう。
パソコン・タブレットの設定
- パソコンなどの画面は、適度な明るさ・コントラストに設定しましょう。
- 画面は目から40cmくらい離れるようにし、画面の位置は目線より少し下になるようにしましょう。
- キーボードやマウスは外付けのものに換え、自由な位置で動かせるようにしましょう。
- 画面に光が反射しないようにしたり、画面に反射防止シートを貼るようにしましょう。
椅子・机
- 機器や書類を置く机は、ゆとりのあるスペースのものとし、作業しやすい高さに調整しましょう。
- 机の下には、足を動かせるスペースを確保しましょう。
- 椅子は、安定感のあるものにし、座面や背もたれの調節や移動ができるものが良いです。
- 座り方は、背もたれに背中を当たるように深く座るよう心がけましょう。また、足の裏は床につくように意識して座りましょう。
子どものVDT症候群(IT眼症)を防ぐには?
今は長時間テレビゲームをする子どもも多いですが、近年ではゲーム機だけでなく、スマートフォンやタブレットを長時間視聴する子どもも増えています。
しかし、これら画面を視聴し過ぎると、目の疲れや肩こり、頭痛などを引き起こす恐れがあります。
特に、スマートフォンを長時間間近で見続けると、物が二重に見える「スマホ内斜視」を引き起こす恐れもあり、注意が必要です。
ゲームは1回1時間以内に
現在は、世界的に小中学生の近視が増加しています。
特に毎日長時間ゲームをし続けると、近視になりやすくなるという報告もあります。
30分程度でしたら問題ありませんが、1時間以上連続して行うと目に大きな負担となりますので注意しましょう。
また、ゲームをした後は、遠くの景色を眺めるなどして、目を休めるよう心がけましょう。
外で遊ぶ時間を作る
子どもの近視予防策として有効なのは、外で日光に当たって遊ぶことです。
外遊びは、身体や目のリラクゼーション効果があります。
近視の子どもでも、1日約2時間外で過ごすと、近視の進行が抑制できる効果があります。
VDT症候群(IT眼症)で自律神経が乱れることも
VDT症候群(IT眼症)は、目の負担だけでなく、脳にストレスを蓄積してしまうことで、自律神経のバランスも乱れやすくなります。
自律神経のバランスが乱れると、睡眠障害や食欲の異常(過食・食欲減退)、めまい、不安感、抑うつ症状など心の不調も引き起こす恐れがあります。