眼瞼痙攣とは
眼瞼痙攣とは、目の周囲の筋肉が痙攣を起こすことで目を開きにくくなったり、瞬きができなくなる症状です。
進行すると、まぶたが自然に閉じてしまうこともあります。 詳しいことはまだはっきりとはわかっていませんが、運動を制御するための脳のシステムが機能障害を起こすことが原因と考えられています。
症状を改善させるためには、対症療法による治療が行われています。
眼瞼痙攣の症状
眼瞼痙攣は一般的に両目で起こることが多いのですが、左右差があることもあります。
進行は緩やかですが、自然治癒することはほとんどないため、発症したら早期に受診しましょう。
初期症状としては、まぶた周辺に不快感や違和感があったり、光がまぶしく感じる、瞬きの回数が増えるなどになります。
進行すると、まぶたが慢性的に痙攣を起こすようになり、目を開けたままでいることが困難になります。
自分の意思に反して目が閉じてしまうため、怪我や事故を起こしやすくなるなど、日常生活に支障をきたします。
さらに進行すると自力では目を開けることができなくなり、事実上の失明状態に陥ります。
なお、眼瞼痙攣は心的影響を受けやすいため、特定の場所では症状を起こさないこともあります。
眼瞼痙攣を疑う症状
~こんな症状がある方は、早期受診を~
- 光をまぶしく感じる
- 瞬きの回数が増えた
- 片目だけ無意識に閉じてしまうことがある
- 口元やまぶたが痙攣する
- 目を開けにくい
眼瞼痙攣の診療の流れ
眼瞼痙攣の可能性がある場合には、下記の流れで検査を行って診断します。
1問診
症状が発症して時期、その後の症状の変化、日常生活でお悩みの点、過去の病歴、現在服用している薬などについて伺います。
2検査
一般的な眼科検査や画像診断検査などを行います。
軽く瞬きをする、速く瞬きをする、強く目を閉じるなど、瞬きテストを行うこともあります。
3診断
まぶたの痙攣や目が開けづらくなる疾患は眼瞼痙攣以外にもございますので、総合的に判断して眼瞼痙攣と診断します。
眼瞼痙攣が確定した後は重症度を判定し、適切な治療方針を患者様と相談しながら提案していきます。
眼瞼痙攣の重症度を判定する基準
- 本人の自覚症状以外の症状の有無
- 規則的な軽い瞬きや速い瞬きは
困難だが、強い瞬きはできる - 目を強く閉じた後に開けようとすると
痙攣が起こり、うまく目を開けられない - 常態的にまぶたが閉じている
- 自分の意思では目を開けることが
できない
眼瞼痙攣の治療
眼瞼痙攣の治療としては、ボツリヌス治療、薬物療法、手術などがあります。
当院ではボツリヌス治療が可能です。
ボツリヌス治療
(ボツリヌス注射・ボトックス注射)
ボツリヌス治療とは、ボツリヌストキシンというタンパク質が有効成分のボツリヌス注射を行う治療法です。ボツリヌスを注入すると、神経が麻痺して筋肉の異常な緊張を緩める効果があります。
眼瞼痙攣の治療では、左右それぞれの眼輪筋に6ヶ所の注射を行います。
注射の際には極細の注射針を使用しますので、痛みはあまり感じません。
治療の効果は注入してから2~3日後に現れはじめ、一般的に平均4ヶ月前後は効果が持続します。
効果のピークはだいたい2週間~2ヶ月の間で、その後効果が薄れていくに従って徐々に眼瞼痙攣の症状が戻ってきます。
よって、3~6ヶ月ごとに繰り返し治療を継続することが多いです。
当院では、外来でボツリヌス治療を受けることができます。お気軽にご相談ください。
薬物療法
薬物療法では、脳などの中枢神経に働きかける抗精神薬や、抗てんかん薬などの内服治療を行います。その際には、当院と連携している医療機関をご紹介します。
手術
手術によってまぶたの筋肉や皮膚を短縮し、症状が出ないようにします。
手術が必要な際にも、当院と連携している医療機関をご紹介します。